大阪市西成区で男性(67)宅に放火したなどとして、民生委員の寺谷均美(ひとみ)容疑者(52)=同市東成区中道2丁目=らが現住建造物等放火などの容疑で逮捕された事件で、寺谷容疑者が「霊感がある」と公言し、火災直前、被害者の男性の家族に「変なことがあるかもしれない」と電話していたことが大阪府警への取材でわかった。府警は、霊感を信じさせて金を貢がせようと、寺谷容疑者が介護士の田向(たむかい)啓子容疑者(53)=同容疑で逮捕=に指示して放火させたとみている。
捜査1課によると、寺谷容疑者は不動明王を信仰し、田向容疑者からは「お不動さんの先生」と呼ばれていた。田向容疑者からは数年間で約9千万円を、被害者の男性の家族からも約2千万円を受け取るなど、霊感を信じた十数人から計約2億円を受け取っていた。
府警への男性の家族の説明によると、寺谷容疑者は火災があった昨年5月25日の午前中、外出中の男性の家族に電話し「変なことがあるかも知れない」と話したという。その直後に男性宅から出火。火災後には「お金を払ったら護摩をたいてあげる」などと金銭を要求したという。
寺谷容疑者は「男性の名前は知っているが、私は関係ない」と容疑を否認。一方、田向容疑者は寺谷容疑者について「先生の言うことを聞いていたら幸せになれる」と供述。男性宅に侵入後、寺谷容疑者から携帯電話で具体的な指示を受けたと話し、それ以外にも昨年4月~今年2月、東成区であった4件の火災も指示されて放火したと認めているという。逮捕容疑も含め5件の火災でけが人はなかった。
大阪市健康福祉局によると、寺谷容疑者は地元からの推薦で04年12月から民生委員を務めていた。市の担当者は「地区から苦情もなく、驚いている」と話した。
田向容疑者が放火を認めている東成区の民家に住む女性(70)は、寺谷容疑者について、「気さくで面倒見がよく、地域で絶大な信頼を集めていた。私も自分の娘みたいに思っていた」と話した。一方、20年来の知り合いという40代の女性によると、寺谷容疑者は昨年6~7月、「夢を見たら現実になる」と語り、自宅近くで同5月に起きた火災を「夢で見た通り」と話していたという。













